こころ・夏目漱石 語句の意味と例文 設問と解説

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・ 第二段落(二人はめいめいの部屋に引き取ったぎり顔を合わせませんでした。〜)

・ 第三段落(ある日私は久しぶりに学校の図書館に入りました。〜)

・ 第四段落(その頃は覚醒とか新しい生活とかいう文字のまだない時分でした。〜)

・ 第五段落(私はそのまま二、三日過ごしました。〜)

   
   [ 第一段落 ]

・ 柄(がら)ではない … その人の性格や態度にふさわしくない

・ 生返事(なまへんじ) … 気が乗らない時にする、いい加減な返事

・ 打ちやる … そのままにする

・ すこぶる … 非常に

・ 懐手(ふところで) … 人に任せて自分は何もしないこと

・ おおかた … おそらく

・ 目に立つ … 目立つ

・ その場を切り上げる … 一段落をつけて、一応そこで終わりにする

・ 漠然(ばくぜん) … ぼんやりとしてはっきりしないさま

・ べつだん … 特に

・ 気にとめない … 気持ちを向けない

・ もとより … もちろん

 「この問題」とは何か。

・ おぼろげに … ぼんやりと

・ 心持(こころも)ち … ほんの少し

・ 細君 … 他人の妻、自分の妻

・ 不思議の感に打たれる … おかしいという感じを強く受ける

 「不思議の感に打たれ」たのはなぜか。

 「そんなこと」とは何か。

・ 元来(がんらい) … もともと

・ 平生(へいぜい) … ふだん、つね日ごろ

・ 口を破る … 沈黙していた状態を終了させて話し始める

・ 予覚(よかく) … 本能的にこれから起こることを前もって察知すること

 「魔法棒のために一度に化石された」という表現は、どのような効果をあげているか。

 「何しろ一つの塊りでした」とは、どういうことか。

・ 先(せん)を越される … 自分がしたいことを、先んじて他人がしてしまう

 「先を越された」とは、どういうことか。

・ 分別(ふんべつ) … 物事の道理を十分に理解して、物事を区別すること

・ 口を切る … 話し始める

・ 胸に響く … 何かを心に感じさせる

・ きざし始める … 起こり始める

 「相手は…きざし始めた」のはなぜか。

 「相手は自分より強いのだ…始めたのです」とは、どのような気持ちか。

・ 給仕(きゅうじ) … 食事の世話をすること

    
   [ 第二段落 ]  TOP

・ 時機(じき) … 物事をするのに適当な機会

・ 言葉を遮(さえぎ)る … 相手の話の途中で話を続けるのを妨げる

・ 逆襲(ぎゃくしゅう) … 相手の攻撃を防御していた者が反対に攻撃にうつること

・ 手抜かり … 不注意のために、不十分な点が生じていること

・ 一段落がつく … 物事に一区切りがついて、いちおう片づく

・ 思案する … いろいろと考える

・ 悔恨(かいこん) … あやまちを後悔し残念に思うこと

 「仕切りの襖」の描写にはどのような効果があるか。

 「午前に失ったもの」とは、何を指すか。

・ 下心(したごころ) … 表面の言動とは違ったたくらみ

 何度も取り上げられた「襖」は、どのような役割を果たしているだろうか。

・ 言いそびれる … 言いたいことを言い出す機会を逃す

・ 回避(かいひ) … あることを避けること

・ 咀嚼(そしゃく) … 人の言葉や文章の意味などをよく考えて理解すること

・ 募(つの)る … 感情や欲求などの高まりがますます激しくなる

 「平生の彼」とは、「彼」のどういう一面のことか。

・ 容貌(ようぼう) … 顔かたち

・ 到底(とうてい) … どんな手段を尽くしても

・ 魔物 … 何らかの力があって、その力で人に害を与えるもの

 「彼が一種の魔物のように思えた」とは、どういうことか。

・ 寡言(かげん) … 言葉数が少ないこと

・ 談話 … うちとけてする話

・ 渋(しぶ)る … 気が進まない様子でいる

 「はっと思わせられ」たのはなぜか。

・ 生返事(なまへんじ) … 気が乗らない時にする、いい加減な返事

・ 気色(きしょく) … 心に思っていることが表情や態度として現れたもの

・ 挙動(きょどう) … 立ち居ふるまい、動作、行為

・ 手を着ける … あることを開始する

 「盤上の数字を指しうるものだろうか」とはどのようなことか。

 「ようやくここに落ち着いた」とは、どういうことか。

・ 義理でない … 物事の正しい道筋に合っていない

・ 腹の中 … 心の中

・ 肉薄(にくはく) … 相手の答えに納得するまで厳しく尋ねること

・ 横着(おうちゃく) … するべきことを怠けてしないさま

 「実際的の効果」とは、どういうことか。

 「思ったとおりを話してくれと頼」んだのはなぜか。

    
   [ 第三段落 ]  TOP

・ 一心(いっしん)に … 一つの事に心を集中するさま

・ 所作(しょさ) … 立ち居振る舞い

 「一種変な心持ちがし」たのはなぜか。

・ 胸に一物(いちもつ)がある … たくらみやわだかまりを心の中に隠し持っている

・ 談判(だんぱん) … ある事柄について始末をつけたり取り決めをしたりするために相手と話し合うこと

・ やむを得ない … そうするより仕方がない

 「例の事件」とは何か。

 「彼の平生と異なる点」とは、どのような点か。

・ 天性 … 生まれつきの性質

・ 憚(はば)かる … 差し障りがあるとして遠慮する

・ 悄然(しょうぜん) … 元気がなく、しおれているさま

 「私はすぐ一歩先へ出ました」からは、「私」のどのような心情がうかがえるか。

 「彼はただ苦しいと言っただけでした。」とあるが、この時のKの心情はどのようなものと考えられるか。

 「彼に都合のいい返事」とは、どのような返事か。

・ 慈雨(じう) … 日照りが続いた時に、ほどよくうるおいをもたらす雨

・ 他流試合 … 他の流儀の武芸者と試合をすること

 「他流試合でもする人のように」とは、どういうことか。

・ 穴だらけ … ひどく用心が足りていないさま

・ 保管 … 他人の物を預かって保護・管理すること

・ 要塞(ようさい) … 外敵の侵攻に備えるための防備施設

 「要塞の地図」という隠喩には、どのような表現効果があるか。

 「要塞の地図」ということばから、「私」のどのような気持ちがうかがえるか。

 「理想と現実」とは、それぞれ何を指すか。

・ 彷徨(ほうこう) … あてもなくさまようこと

・ 目をつける … 特別に注意を向ける

・ 虚(きょ)に付け込む … 相手の無防備な所を攻める

・ 厳粛(げんしゅく) … 近づきにくいほどまじめで慎み深いこと

・ 策略 … 自分の目的を達成するためのはかりごと

・ 相応 … つりあっているさま

・ 滑稽(こっけい) … ばかばかしいと人から笑われるようなおかしさ

・ 羞恥(しゅうち) … はずかしい思い

 「私」が「彼の使ったとおりを、彼と同じような口調で、再び彼に投げ返した」のはなぜか。

 「復讐以上に残酷な意味」とは、どういう意味か。

・ 行手を塞(ふさ)ぐ … それ以上進めないように邪魔をする

・ 宗旨(しゅうし) … その宗門の教えの中心になっている教義

・ 教義 … 宗教上の教え

・ 精進(しょうじん) … 雑念を払って仏道修行に打ち込むこと

・ 道 … 障害を乗り越えて、たどり着こうとする目的

・ 時分(じぶん) … 時期

・ いきおい … その場のなりゆきで

・ 侮蔑(ぶべつ) … ばかにして見さげること

・ 利害 … 利益と損害

 「私の利害」とは、どのようなことか。

・ 利己心 … 自分の利益だけをはかろうとする心

・ 発現(はつげん) … 現われ出たもの

 「僕はばかだ。」と言ったのは、どのような気持ちからか。

・ 刹那(せつな) … 極めて短い時間

・ 居直(いなお)り強盗 … ただ単に物を盗んでいた者が途中から暴行・脅迫を使用して物を盗むこと

 「居直り強盗のごとく感ぜられた」とは、どういうことか。

・ 腹の中 … 心の中

・ 卑怯(ひきょう) … 勇気がなく、その態度が正々堂々としていないさま

・ 目がくらむ … 何かに心を奪われて正常な判断ができなくなる

 「そこ」とは何か。

・ 敬意を払う … 尊敬の気持ちを相手に向ける

・ 覚悟(かくご) … 自分にとって悪い事態が生じることを予測して心を決めること

 「平生の主張」とはどのようなものか。

・ 萎縮(いしゅく)する … 生気がなくなり小さくなる

 「自分の矛盾」とは、ここではどういうことか。

・ 質(たち) … 性質、体質、品質

・ 卒然(そつぜん) … 突然、急に

 この「覚悟」とは、どのようなことか。

・ ことに … 特に

    
   [ 第四段落 ]  TOP

・ 覚醒(かくせい) … 古いものから新しいものへと目ざめること

・ 一意(いちい)に … ただ一つのことに心を注ぐさま

・ 猛進(もうしん) … 何ものをも恐れず激しい勢いで進むこと

・ 熾烈(しれつ) … 勢いが盛んで激しいこと

・ 前後を忘れる … 自分がどこにいて、何をしているのか、そういうことも分からなくなる

・ 衝動(しょうどう) … なぜするのか自分でも分からないまま行動する心の動き

 「この双方の点」とは何をさすか。

 「比較的安静な夜」だと感じたのはなぜか。

・ とりとめもない … はっきりしたまとまりがない

 「私」が「とりとめもない世間話をわざと彼にしむけ」たのはなぜか。

・ 恐るるに足りない … 怖がるほどの値打ちがない

・ 宵(よい) … 日没後の間もない頃

・ 立て切る … すっかりしめる

・ 暗闇 … まったく光がないこと、まったく光がない所

・ 念を押す … 間違いがないように相手に十分確かめる

 「そういう点」とは、どのようなことを指しているか。

・ 自尊心 … 自分をある程度の存在として認め、大事にしようとする気持ち

 「妙な力で私の頭を抑え始めた」とはどのようなことか。

・ 果断(かだん)に富む … 物事を思い切って行う能力が豊かである

・ 優柔(ゆうじゅう) … ぐずぐずして決断力が足りないさま

・ 飲み込む … よく理解する

 「一般」「例外」とは、それぞれ何を指すか。

 「一般を心得たうえで、例外の場合をしっかり捕まえ」るとは、どういうことか。

 「覚悟」の具体的な内容として、他にどういうことが考えられるか。

・ 色を失う … 得意な気持ちがうすれる

・ 煩悶(はんもん) … あれこれと悩み苦しむこと

・ 懊悩(おうのう) … 悩みもだえること

・ いちず … 他のことを考えないで、一つのことを追求するさま

 「最後の決断」とは、どういう決断か。

・ 事を運ぶ … 物事を進行させる

 「事を運(ぶ)」とは、この場合、具体的にどういうことか。

・ 催促(さいそく) … 物事を早くするようにうながすこと

・ 生返事(なまへんじ) … 気が乗らない時にする、いい加減な返事

・ 異状(いじょう) … 普通とは違っているさま

・ 屈托(くったく)する … ある一つのことを気にかけてくよくよする

 「Kが近頃何か言いはしなかったか」と聞いたのはなぜか。

・ 反問 … 何か尋ねられた相手に、逆に尋ね返すこと

 「うそ」とは、具体的にどのようなことか。

・ 頓着(とんちゃく) … 気にかけること

・ 口をきく … 話をする

・ 境遇(きょうぐう) … その人が置かれている総合的な環境

・ 明瞭(めいりょう) … あいまいさがなく、はっきりしているさま

・ 後(あと)から断(ことわ)る … あとで許しを得る

・ 意向 … どうするつもりかについての考え

・ 拘泥(こうでい)する … こだわる

・ 承諾(しょうだく) … 相手の意見・希望や相手からの依頼を聞いて、受け入れること

 「本人が不承知のところへ、私があの子をやるはずがありませんから」という発言から何が想像できるか。

・ 疑念 … 疑わしいと思う気持ち

・ 観念 … 物事についての考えや意識

・ 界隈(かいわい) … その辺りの地域

・ ひやかす … 買う気がない商品を手に取ったり、値段を聞いたりする

・ 手擦(てず)れ … 何度も手が触れたために擦れて痛むこと

 「この二つのもの」とは何か。

・ 往来 … 道路

・ 我知らず … 無意識で

・ いびつ … もとの整った形がゆがんでいるさま

・ 回顧(かいこ) … 過ぎ去った昔を思い出すこと

 「一方に緊張していた」とは、どういうことか。

・ 格子 … 細い角材や竹などを縦横に組んで作った建具

・ 書見(しょけん) … 読書

 「事の成り行き」とは、具体的にはどういうことか。

 「私の自然」とは、どういうことか。

・ きまりが悪い … その場を取りつくろえないで恥ずかしく思う

 「私は鉛のような飯を食いました」からは、「私」のどのような心情がうかがえるか。

 「鉛のような」という直喩には、どのような表現効果があるだろうか。

・ 推察(すいさつ) … 他人の事情や心中について見当をつけること

・ 機嫌(きげん) … 表情・態度に現れている快・不快の状態

 「私の恐れを抱いている点」とは、ここでは何を指すか。

    
   [ 第五段落 ]  TOP

・ すっぱ抜く … 人の秘密などを不意にあばいて明るみに出す

・ 挙止動作(きょしどうさ) … 立ち居振る舞い

・ 不審(ふしん) … 疑問に思うさま

・ 倫理 … 人が守り行うべき道

 「倫理的に弱点を持っている」とは、どのようなことか。

・ 至難(しなん) … この上なく困難なさま

・ 面目(めんもく)のない … 恥ずかしくて顔を合わせられない

・ 詰問(きつもん) … 厳しくとがめて、徹底的に質問すること

 「自分の弱点」とは、ここでは何を指すか。

・ 一分一厘(いちぶいちりん) … ほんのわずか

・ 足を滑(すべ)らす … してはいけない事を、うっかりしてしまう

 「つい足を滑らした」とは、どのようなことか。

・ 狡猾(こうかつ) … ずるくて悪賢いこと

 「立ち直って、もう一歩前へ踏み出そう」とは、「私」にとって、具体的にどういうことか。

・ 窮境(きゅうきょう) … ひどく苦しい立場

・ 立ちすくむ … 立ったままで動けなくなる

・ 詰(なじ)る … 悪い点を問い詰めて非難する

・ 固くなる … 緊張して適切な対応がとれなくなる

・ 道理(どうり)で … ある事柄の理由がわかって「なるほど」と納得するさま

・ 別段(〜打消) … 特に取り立てるほど(〜ない)

・ 胸が塞(ふさ)がる … 心配や申し訳ない気持ちで胸が詰まるように感じる

 「私」が「胸が塞がるような苦しさ」を感じたのはなぜか。

・ 超然(ちょうぜん) … 世俗的なことに関心を持たず平気でいるさま

 「彼の超然とした態度」とは、どのような態度か。

・ 敬服(けいふく)に値(あたい)する … 尊敬するだけの価値がある

 「策略で勝っても人間としては負けた」と感じたのはなぜか。

・ 胸に渦巻(うずま)く … 感情や思考などが繰り返し心に起こってくる

 「進もうかよそうか」とは、どういうことか。

・ 因縁(いんねん) … 前世から定まった運命

・ きっと … 厳しい態度や表情で行動するさま

・ 疾風(しっぷう) … 激しく吹く風

 「もう取り返しが…ものすごく照らしました。」とは、どういうことか。

 「私を忘れる」の「私」とは、どういう内容か。

 「私はついに私を忘れることができませんでした」とはどのようなことか。

 「私」の「予期」とは、どのようなものか。

 「つらい文句」とは、私にとって、具体的にどういうことか。

 なぜ「まず助かった」と思ったのか。

・ 世間体(せけんてい) … 世間の人々の目に自分がどう映るかということ

・ 薄志弱行(はくしじゃっこう) … 意志が弱く実行力が乏しいこと

 「薄志弱行」だったのは、Kのどのような点においてだろうか。

 「わざとそれをみんなの目につくように、もとのとおり机の上に置」いたのはなぜか。

 「わざとそれをみんなの目につくように」して、何を示そうとしたのか。

・ 忽然(こつぜん) … たちまち、突然

・ 分別(ふんべつ) … 物事の道理を十分に理解して、物事を区別すること

・ らちが明かない … 物事がはかどらない

・ 不慮(ふりょ) … 思いがけないこと

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