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・ 第二段落
・ 第三段落
[ 第一段落 ]
・ 下人(げにん) … 身分の低い者
・ 雨(あま)やみ … 雨がやむこと
・ 丹塗(にぬ)り … 赤色や朱色の塗装
・ 雨やみ … 雨がやむのを待つこと
・ 市女笠(いちめがさ) … 中央が高い漆塗りの笠
⇒ 市女笠をかぶった女
・ 揉烏帽子(もみえぼし) … もみ柔らげた烏帽子
⇒ 揉烏帽子をかぶった男
・ 辻風(つじかぜ) … 渦巻状に激しく吹く風
・ 飢饉(ききん) … 食糧が無くて飢え苦しむさま
・ 洛中(らくちゅう) … 京都の市中
・ さびれる … 人が集まらなくなる
○ ひととおりではない … ものごとの程度がはなはだしい
・ 旧記(きゅうき) … 古い記録
Q 「旧記によると」の一文には、どのような効果があるか。
・ 仏具 … 仏事に使用する道具
・ 箔(はく) … 金属を薄く平たく延ばした物
・ 薪(たきぎ)の料(しろ) … 薪の材料
○ その始末(しまつ) … そういう悪い状態
○ もとより … もちろん、いうまでもなく
○ 顧(かえり)みる … 心にとどめて忘れない
・ 狐狸(こり) … きつねやたぬき
○ 日の目 … 日光、日差し
・ 足踏(あしぶ)みをしない … 足を踏み入れない
Q 羅生門の様子を描くうえで、「からす」はどのような効果をあげているか。
・ 鴟尾(しび) … 大建築の大棟の両端につける魚の尾形の飾り
・ 殊(こと)に … 特に
・ ごまをまいたように … 黒く点々と散らばっている様子
・ ついばむ … くちばしでつついて食べる
○ 刻限(こくげん) … 時刻
・ 洗(あら)いざらした … 何度も洗って色あせた
・ 襖(あお) … 両方の脇のあいた裏つきの着物
○ 暇(ひま)を出す … 仕事を辞めさせる
○ 衰微(すいび)する … 盛んだったものが衰える
○ 余波(よは) … 事柄が周囲に及ぼす影響
Q 「この衰微の小さな余波」とは、どういうことか。
○ 途方(とほう)に暮(く)れる … どうしていいか分からないで困る
・ 平安朝 … 平安時代
・ sentimentalisme … 感傷的な気分
Q 「sentimentalisme」という表現には、どのような効果があるか。
○ 気色(けしき) … 様子
・ 何をおいても … まず第一に
・ 差(さ)し当(あ)たり … 今のところ
○ とりとめもない … はっきりした目的やまとまりのない状態
・ 聞くともなく聞く … なんとなく聞く
・ 甍(いらか) … 屋根の棟を覆う瓦
○ いとまはない … 余裕がない
Q 「手段を選んでいるいとまはない」からは、下人がどのような状況にあることがうかがえるか。
・ 築土(ついじ) … 土を固めて造った屋根つき塀
○ 低徊(ていかい)する … 何か考えながら行ったり来たりする
○ あげく … 結果
○ 局所(きょくしょ) … 全体の中の一部分
Q 「この局所」とは、どのようなことか。
○ 逢着(ほうちゃく)する … 出くわす
Q なぜ「この『すれば』は…結局『すれば』であった。」のか。
○ かたをつける … ものごとに決着・始末をつける
○ ~よりほか…ない … ~以外に方法がない
・ くさめ … くしゃみ
○ 大儀(たいぎ)そうに … 面倒そうに、億劫そうに何かをしている様子
Q 「きりぎりすも、もうどこかへ行ってしまった」という描写は、どのような効果をあげているか。
・ 火桶(ひおけ) … 木をくり抜いて作った丸火鉢
・ 汗袗(かざみ) … 汗取りのための一重の下着
・ 憂(うれ)え … 心配
○ 人目にかかる … 他人に見られる
・ ともかくも … ほかの事はどうであっても
○ 目につく … 目立つ、きわだって見える
・ 聖柄(ひじりづか) … 皮などを巻かない木地のままの柄
・ 鞘走(さやばし)る … 刀身が鞘から抜け出る
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Q なぜ、下人を「一人の男」と表現しているのか。
○ 息を殺す … 呼吸する音もさせないほど静かにしている
○ 高をくくる … たいしたことはないと軽く見る
Q 「すぐにそれと知れたのである」の「それ」は何をさしているか。
・ ただの者ではない … 普通の者ではない
・ やもり … ヤモリ科の爬虫類
・ 足音を盗む … 足音をたてないようにする
○ 無造作(むぞうさ)に … 気軽に
○ おぼろげながら … はっきりしないが
・ おし … しゃべれない人
○ 腐乱(ふらん)する … 腐って形がくずれる
Q 「ある強い感情」とは、どういう感情か。
Q なぜ「下人は…」とせずに「下人の目は…」と表現しているのか。
・ 檜皮色(ひわだいろ) … ひのきの樹皮のような赤黒い色
・ 好奇心(こうきしん) … 珍しい物事などに強い興味や関心を持つ心
○ 暫時(ざんじ) … しばらく
・ 頭身の毛も太る … あまりの恐しさのために体中の毛が逆立つ
・ 手に従って … 手を動かすにつれて自然に
Q 「恐怖が少しずつ消えていった」のはなぜか。
○ 憎悪(ぞうお) … ひどく憎むこと
○ 語弊(ごへい)がある … 不適切な言葉の使い方によって相手に誤解や不快な感じを与える
○ 未練(みれん) … ものごとへの執心を断ち切れないこと
○ 合理的 … 道理や論理に合っているさま
Q 「それを善悪のいずれにかたづけてよいか知らなかった」の「それ」は何をさすか。
Q 「それだけで既に許すべからざる悪であった」とは、どのようなことか。
○ とうに … とっくに、ずっと前に
[ 第三段落 ] TOP↑
・ 弩(いしゆみ)にはじかれたように … ほとんど反射的に勢いよく
・ おのれ … おまえ
・ 慌(あわ)てふためく … 慌てて取り乱す
・ 罵(ののし)る … 大きな声で悪く言う
Q 「ちょうど、鶏の脚のような、骨と皮ばかりの腕である」からは、老婆のどのような状況がうかがえるか。
Q 「これだぞよ」とは、具体的にどのような意味か。
・ わなわな … 体がこきざみに震えるさま
・ 肩で息を切る … 肩を上げ下げして苦しそうに呼吸をする
・ 執拗(しゅうね)く … 執念深く
・ 全然(ぜんぜん) … まったく
Q なぜ「この意識は…冷ましてしまった」のか。
・ 円満(えんまん) … どちらにも支障のないさま
○ 成就(じょうじゅ)する … ものごとを成し遂げる
・ 声をやわらげる … 穏やかな声になる
Q 下人が「少し声をやわらげて」言ったのはなぜか。
・ 検非違使庁(けびいしちょう) … 京都の治安維持を所管する役所
○ 今し方 … たった今、ほんの少し前
・ 縄(なわ)をかける … つかまえる
・ 肉食鳥 … 動物の肉を食べる鳥
・ 喉(のど)ぼとけ … 喉に突き出している骨
・ あえぐ … 苦しそうに息をする
○ 存外(ぞんがい) … 思っていたよりも
Q 下人が「老婆の答えが存外、平凡なのに失望した」のはなぜか。
Q 「前の憎悪」とはどのようなものか。
○ 侮蔑(ぶべつ) … ばかにして見さげること
・ 蟇(ひき) … ひきがえる
・ 口ごもる … 言葉が口内にこもり不明瞭になる
・ なんぼう … どんなに
・ じゃが … ではあるが
・ 太刀帯(たてわき) … 皇太子の身辺や御所の警備にあたった役人
・ 陣(じん) … 詰め所
・ 往(い)んだ … 行った
・ 疫病(えやみ) … 伝染病
・ 死ななんだら … 死ななかったら
・ 菜料(さいりょう) … おかずの材料
・ いたそうな … いたそうだ
・ するのじゃて … するのだから
・ されば … だから
○ 大目に見る … 相手の過失や欠点をそれほどとがめないで寛大に扱う
○ 冷然(れいぜん) … 冷ややかで心を動かさないさま
Q 「ある勇気」とは、どのような勇気か。
Q 「この老婆を捕えた時の勇気」とは、どのような勇気か。
・ 意識の外に追い出される … まったく意識しない状態になってしまう
・ きっと … 間違いなく
・ 嘲(あざけ)る … 見下して悪口を言う、笑う
○ 念(ねん)を押(お)す … まちがいないと思うことをさらに確かめる
Q 「嘲るような」には、下人のどのような気持ちが表れているか。
・ 襟髪(えりがみ) … 首の後ろの髪
・ かみつくように … 激しい攻撃的な態度で
・ 引剥(ひは)ぎ … 追いはぎ
・ 恨(うら)むまいな … 恨まないだろうな
・ またたく間(ま) … 非常に短い間
・ 夜の底 … はしごの下の真っ暗闇
Q 「夜の底」という表現から、どういうことが感じ取れるか。
[ 第四段落 ]
・ 黒洞々(こくとうとう) … 底の知れない洞穴のような暗さ
Q 「黒洞々たる夜」という表現は、どのような効果をあげているか。