| [ 解説 ] 
 
 
・題名 … 江南(こうなん)の春(はる)・作者 … 杜牧(とぼく)
 ・詩形 … 七言絶句(しちごんぜっく)
 ・押韻(おういん) … 紅、風、中
 ・主題 … のどかな江南の春の風物を絵画的に詠んでいる。
 
 [ 現代語訳・書き下し文・原文 ]
 
 
 
江南春江南の春
 江南の春
 
 千里鶯啼緑映紅
 千里鶯啼いて緑紅に映ず
 千里四方で鶯が鳴いて木々の緑が花の紅に照り映えている。
 ・千里 … 千里四方、広々とした辺り一面
 ・緑 … 木々の緑
 ・紅(くれない) … 花の紅
 ・映(えい)ず … 照り映える
 
 水村山郭酒旗風
 水村山郭酒旗の風
 水辺の村や山辺の村には酒屋を示す旗やのぼりが風にはためいている。
 ・水村(すいそん) … 水辺の村
 ・山郭(さんかく) … 山辺の村
 ・酒旗(しゅき) … 酒屋を示す旗やのぼり
 
 南朝四百八十寺
 南朝四百八十寺
 南朝の頃には四百八十の寺が建てられたと言われているが、
 
 多少楼台煙雨中
 多少の楼台煙雨の中
 多くの高くそびえる寺院の建物が雨の中に煙って見える。
 ・多少の … 多くの
 ・楼台(ろうだい) … 高くそびえる寺院の堂塔
 ・煙雨(えんう) … 煙るように降る雨
 
 
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