[ 解説 ]
・題名 … 絶句(ぜっく)
・作者 … 杜甫(とほ)
・詩形 … 五言絶句(ごごんぜっく)
・押韻(おういん) … 然、年
・対句 … 「江碧鳥逾白」と「山青花欲然」
・主題 … はなやかな春が今年もまた過ぎ去るのだと思うことによって生じた望郷の思い
[ 現代語訳・書き下し文・原文 ]
絶句
絶句
題名を定めない詩
江碧鳥逾白
江碧にして鳥逾白く
川の水は深緑であり、鳥はいっそう白く見える。
・碧(みどり) … 深緑色
山青花欲然
山青くして花然えんと欲す
山は緑に包まれ、花は燃えんばかりに赤い。
・青 … 緑色
・欲〜 … 〜ようとする、読み「〜トほっス」
・然(も)ゆ … 燃える
今春看又過
今春看又過ぐ
今年の春もみるみるうちにまた過ぎ去っていく。
・看(みすみす) … みるみるうちに
・又(また) … さらにまた
何日是帰年
何れの日か是れ帰年ならん
いつになったら、故郷に帰れる年が来るのだろうか。
・何日〜 … いつになったら〜か(疑問)
読み「いづレノひカ〜」
|