[ 解説 ]
・題名 … 春夜洛城聞笛
・作者 … 李白(りはく)
・詩形 … 七言絶句
・押韻(おういん) … 声、城、情
・主題 … 折楊柳を聞くことによって故郷を遠く離れている者の心に生じた望郷の思い
[ 現代語訳・書き下し文・原文 ]
春夜洛城聞笛
春夜洛城に笛を聞く
春の夜洛陽の町に笛の音を聞く
・洛城(らくじょう) … 洛陽の町
誰家玉笛暗飛声
誰が家の玉笛ぞ暗に声を飛ばす
誰の家の玉笛か、ひそかに音を流している。
・玉笛(ぎょくてき) … 美しい笛、「玉」は美称
・暗に … どこからともなく
・声を飛ばす … 音をはなつ
散入春風満洛城
散じて春風に入りて洛城に満つ
散らばって春風に乗って洛陽の町全体に広がっている。
・散ず … 散らばる
此夜曲中聞折柳
此の夜曲中に折柳を聞く
この夜、その曲の中に折楊柳の調べを聞いた。
・折柳(せつりゅう) … 折楊柳
何人不起故園情
何人か故園の情を起こさざらん
誰が故郷を思う気持ちを起こさないだろうか。
・何人〜 … 誰が〜か、誰も〜ない(反語)
読み「なんぴとカ〜」
・故園(こえん)の情 … 故郷を思う気持ち
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