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         [ 解説 ]

・題名 … 月夜(げつや)
・作者 … 杜甫(とほ)
・詩形 … 五言律詩(ごごんりっし)
・押韻(おういん) … 看、安、寒、乾
・対句 … 「遥憐小児女」と「未解憶長安」
     「香霧雲鬟湿」と「清輝玉臂寒」
・主題 … 長安で捕らわれの身になっている作者の遠く離れた地にいる妻子を思いやる気持ち。


    [ 現代語訳・書き下し文・原文 ]

月夜
月夜
月の夜

今夜鄜州月
今夜鄜州の月
今夜、鄜州の月を、

閨中只独看
閨中只だ独り看るらん
部屋の中で、妻はただひとり眺めているだろう。
・閨(けい) … 婦人の部屋
・看(み)る … じっと見る

遥憐小児女
遥かに憐れむ小児女の
遠く離れて思いやるのは、幼い子供たちが、
・遥(はる)かに … 遠く離れた場所から
・憐(あわ)れむ … いとしく思いやる
・小児女(しょうじじょ) … 幼い男の子や女の子

未解憶長安
未だ長安を憶ふを解せざるを
まだ長安にいる父親の身を気づかうことを知らないことだ。
・憶(おも)ふ … 気づかう
・解(かい)す … 〜できる

香霧雲鬟湿
香霧雲鬟湿ひ
夜の霧に雲のような豊かなまげがしっとり濡れ、
・香霧(こうむ) … 「香」は美称
・雲鬟(うんかん) … 雲のような豊かなまげ

清輝玉臂寒
清輝玉臂寒からん
清らかな月の光に、玉のように美しい腕が冷たく光っているだろう。
・清輝(せいき) … 清らかな月の光
・玉臂(ぎょくひ) … 玉のように美しい腕

何時倚虚幌
何れの時か虚幌に倚り
いつになったら、人気のない部屋の窓のとばりに寄り添い、
・虚幌(きょこう) … ひと気のない部屋のとばり

双照涙痕乾
双び照らされて涙痕乾かん
一緒に月の光に照らされて涙のあとを乾かせるのだろうか。
・双(なら)ぶ … 二つのものが一緒に存在する
・涙痕(るいこん) … 


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