山月記 意味調べ・漢字・読み方

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・ 第二段落

・ 第三段落

・ 第四段落

・ 第五段落

・ 第六段落

   
   [ 第一段落 ]

・ 博学(はくがく) … 広く学問に通じていること

・ 才穎(さいえい) … 才知が非常に優れていること

・ 虎榜(こぼう) … 進士試験及第者の名前を提示する板

・ 連(つら)ねる … ある集団の一員として加わる

 補(ほ)す … 官職に任命する

・ 性(せい) … 性格

 狷介(けんかい) … 周囲に心を開かず自分の信念をかたく守ること

 自(みずか)ら恃(たの)む … 自分の能力の優秀さを頼りにする

 賤吏(せんり) … 身分の低い役人

 甘(あま)んずる … 自分の状況をそのまま受け入れる

 潔(いさぎよ)しとしない … 自分には適正でないと考える

 いくばくもなく … それほどの時を経ないうちに

 官(かん)を退(しりぞ)く … 官吏が職をやめる

 故山(こざん) … 故郷

 帰臥(きが)する … 官職を退いて故郷に帰り、静かに生活する

 ふける … 適切な程度を越えて一つの物事に心を奪われる

 下吏(かり) … 身分の低い官吏

・ 大官(たいかん) … 身分の高い官吏

 俗悪(ぞくあく) … 卑しくて下等であること

 膝(ひざ)を屈(くっ)する … 相手の指示・命令に従う

 文名(ぶんめい)が揚(あ)がる … 詩人としての名声が世に広まる

・ 日(ひ)を追(お)う … 日数が経過する

 ようやく … 次第に

 焦躁(しょうそう)にかられる … あせる気持ちにせきたてられる

・ 容貌(ようぼう) … 顔つき

・ 峭刻(しょうこく) … 厳しく険しいこと

 骨秀(ほねひい)でる … やせて骨が目立っている

 いたずらに … むなしく

 炯々(けいけい)として … きらきら光っていて

 登第(とうだい)する … 官吏登用試験に合格する

 豊頬(ほうきょう) … 頬の肉付きがよいこと

 貧窮(ひんきゅう)に耐(た)えず … 貧しい生活の苦しみが我慢できなくて

 節(せつ)を屈(くっ)する … 今までかたく守ってきた志を変える

・ 赴(おもむ)く … ある場所に向かって行く

 職(しょく)を奉(ほう)ずる … 官職をお受けする

・ 半(なか)ば … 半分

 鈍物(どんぶつ) … 頭の働きのにぶい人

 歯牙(しが)にもかけない … 無視する

 下命(かめい)を拝(はい)す … 上位の官職の者が下す命令をありがたく受ける

 往年(おうねん) … 過ぎ去った昔

・ 儁才(しゅんさい) … 優れた才能の人

 自尊心(じそんしん) … 自分をある程度の存在として認め、大事にしようとする気持ち

・ 想像(そうぞう)に難(かた)くない … 想像するのが難しくない

・ 怏々(おうおう) … 不満に思うさま

・ 狂悖(きょうはい) … 非常識で道義に反する言動をすること

    
   [ 第二段落 ]  TOP

・ 監察御史(かんさつぎょし) … 官吏を取り締まる役人

 勅命(ちょくめい)を奉(ほう)じる … 天子の命令をお受けする

 途(みち)に・道に … 目的地に至るまでの途中で

 駅吏(えきり) … 宿駅に働く役人

・ 供回(ともまわ)り … 供をしている人々

 恃(たの)む … 頼りにする

 言葉(ことば)を退(しりぞ)ける … 言葉を受け入れない

・ 残月(ざんげつ) … 明け方まで残っている月

 果(は)たして … (駅吏の)言葉どおり

・ 躍(おど)り出(で)る … 勢いよく飛び出す

 あわや … もう少しで

 身(み)を翻(ひるがえ)す … 身体の向きを急に変える

 驚懼(きょうく) … 驚き恐れること

 第(だい)に登(のぼ)る … 官吏登用試験に合格する

・ 峻峭(しゅんしょう) … 厳しいこと

 性情(せいじょう) … 性質と心情

 久闊を叙(じょ)す … 久しぶりに会ってあいさつをする

 おめおめと … そうすることが恥だと知っていながら、あえて

・ 故人(とも) … 古くからの友人

 あさましい … 見るのに耐えられないほどひどい

・ さらす … 周囲の人に見せる

 畏怖嫌厭(いふけんえん)の情(じょう) … 恐れていやがる気持ち

 図(はか)らずも … 思いがけなく

 愧赧(きたん)の念(ねん) … 恥ずかしくて顔を赤くするような思い

・ 醜悪(しゅうあく) … みにくいこと

・ 超自然(ちょうしぜん) … 自然の法則を超えた神秘的なこと

・ 怪異(かいい) … 現実にはありえない不思議なこと

 消息(しょうそく) … 様子

 隔(へだ)てのない語調(ごちょう) … 相手に対する遠慮のない言葉の使い様

    
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・ 一睡(いっすい) … ちょっと眠ること

・ 応(おう)じる … 外部の働きかけに対応する

 覚(おぼ)えず … 無意識で

・ 無我夢中(むがむちゅう) … 自分を忘れて物事に熱中している様子

 臨(のぞ)む … 目の前にする

・ 悟(さと)る … 気づく

 茫然(ぼうぜん) … ぼんやりした状態

・ 懼(おそ)れる … 危険を感じて不安になる

 さだめ … 決定されていて変更できないもの

・ 途端(とたん)に … その瞬間に

・ 自分の中の人間 … 自分に残る人間の部分

・ まみれる … 汚いものが一面につく

・ 所行(しょぎょう) … おこない

 忍(しの)びない … 耐えられない

・ 人語(じんご)を操(あやつ)る … 人間の言葉をしゃべる

・ 経書(けいしょ) … 儒教の教典

・ 章句(しょうく) … 文章の章と句

・ 誦(そら)んずる … 暗記したことを口に出して言う

・ 残虐(ざんぎゃく)な行(おこな)い … むごたらしい行為

 憤(いきどお)ろしい … 腹立たしい

 礎(いしずえ) … 建築物の柱の下に据える土台石

・ 忘(わす)れ果(は)てる … まったく忘れてしまう

・ ~回る … あちこち~する

・ 狂(くる)い回る … あれこれ異常な行動をとる

・ 故人(とも) … 昔の友人

・ 悔(く)い … 後悔

・ 哀(かな)しい … ひどく心の痛みを感じる

・ 切(せつ)ない … 胸をしめつけられるほど悲しい

・ 身の上 … 人が置かれている状況

    
   [ 第四段落 ]  TOP

 息をのむ … 何かに心を奪われて、少しの間、呼吸するのを忘れる

 ほかでもない~ … ~以外のことではない

・ 元来(がんらい) … もともと

 名を成(な)す … ある分野で業績をあげて、その名声が世に広まる

 業(ぎょう) … 事業

・ 成る … 完成する

・ 世に行われる … 世の中に知られている

・ 遺稿(いこう) … 死後に残された未発表の原稿

・ 記誦(きしょう) … 記憶して、そらで言うこと

・ 伝録(でんろく) … 記録して世に残すこと

 詩人面(しじんづら) … 人から詩人と認識されるようなふるまい

 巧拙(こうせつ) … じょうずとへた

 産(さん)を破(やぶ)る … 財産をすべて無くす

・ 執着(しゅうちゃく) … ある事物から心が離れないこと

 朗々(ろうろう)と … たいそう澄んで高らかに

 格調高雅(かくちょうこうが) … 詩歌の形式、品格、調子がとても上品で洗練されていること

 意趣卓逸(いしゅたくいつ) … 表現されているものが群を抜いて優れていること

 感嘆(かんたん) … すばらしいと感心すること

・ 非凡(ひぼん) … 普通より特に優れていること

・ 漠然(ばくぜん) … ぼんやりとして不明確なさま

 嘲(あざけ)る … ばかにして悪く言う、笑う

・ 岩窟(がんくつ) … 岩にできた洞穴

 自嘲癖(じちょうへき) … 自分を人よりも劣っていると思い、ばかにする癖

 風流人士(ふうりゅうじんし) … 風流な心の持ち主であり、詩文を愛している人

・ お笑(わら)い草(ぐさ) … 人に馬鹿にされる物事

   [ 漢詩 ]

・ 狂疾(きょうしつ) … 精神病

・ 殊類(しゅるい) … 人類と違う生物

・ 災患(さいかん) … 災難

・ 相仍(あいよ)る … 重なる

・ 声跡(せいせき) … よい評判

・ 異物(いぶつ) … 人類と違う生物

・ 蓬茅(ほうぼう) … 雑草

・ 軺(よう) … 小さい軽い車

・ 気勢(きせい) … 意気込む気持ち

・ 渓山(けいざん) … 谷と山

・ 渓山名月に対し ⇒ 「山月記」の題名の由来

・ 長嘯(ちょうしょう) … 声を長く引いて詩を吟じること

・ 嘷(こう) … ほえ叫ぶこと

    
   [ 第五段落 ]  TOP

・ 白露(しらつゆ) … 白く光って見える露

 地(ち)にしげく … 地面にたくさん降りていて

・ 暁(あかつき) … 夜明け

・ 奇異(きい) … 普通と違って奇妙なこと

 粛然(しゅくぜん)として … おごそかにつつしんでいて

・ 薄倖(はっこう) … 幸福に恵まれないこと

・ 先刻(せんこく) … さきほど

・ 努(つと)めて … できるだけ

 倨傲(きょごう) … おごり高ぶること

 尊大(そんだい) … 自分のことを偉いと思い、いばっていて、無礼である

 羞恥心(しゅうちしん) … 恥ずかしく思う気持ち

 郷党(きょうとう) … 故郷の仲間

 鬼才(きさい) … 人間とは思われないような優れた才能の持ち主

・ 進んで … 自分から積極的に

・ 求めて … 自分のほうから望んで

・ 切磋琢磨(せっさたくま) … 仲間同士で励まし競い合って向上すること

 俗物(ぞくぶつ) … 世間的な名誉や利益にとらわれている、つまらない人物

 伍(ご)する … 仲間になる

 珠(たま) … 真珠 ⇒ 才能のある人

 刻苦(こっく) … たいへんな苦しみを重ねること

 碌々(ろくろく)として … よくあるように

・ 瓦(かわら) … ねうちのないもの⇒平凡な才能の人

・ 憤悶(ふんもん) … 憤り、もだえること

・ 慙恚(ざんい) … 恥じて怒ること

・ 性情(せいじょう) … 性質と心情

・ 損(そこ)なう … 壊して駄目にする

 空費(くうひ) … むだに使うこと

 口先(くちさき)ばかり … 実行を伴わないで言葉だけ

 警句(けいく)を弄(ろう)する … 真理を鋭くついた短い文句を巧みにあやつる

・ 暴露(ばくろ)する … 秘密を明るみに出す

・ 危惧(きぐ) … 危ないと思い恐れること

・ 怠惰(たいだ) … なすべき事を怠けること

 専一(せんいつ) … ひたすら一つのことにだけ心を向けること

・ 胸(むね)を灼(や)かれる … ある感情に堪えがたくなる

・ 巌(いわお) … 高く大きな岩

・ 空谷(くうこく) … 人のいない寂しい谷

・ ひれ伏(ふ)す … 降参する

・ 哮(たけ)る … 荒々しくほえる

・ 天(てん)に躍(おど)る … 空中に飛び上がる

・ 地(ち)に伏(ふ)す … 地面に腹ばいになる

・ 天に躍り地に伏して嘆いても ⇒ どんなに激しく嘆いても

    
   [ 第六段落 ]  TOP

・ 暁角(ぎょうかく) … 夜明けを知らせる角笛の音

・ 孤弱(こじゃく) … 頼る人がなく力もないこと

・ 道塗(どうと) … みち

・ 飢凍(きとう) … 衣食の欠乏

・ 恩倖(おんこう) … 恵みと幸福

・ 慟哭(どうこく) … 大声をあげて激しく泣くこと

 意(い)に添(そ)う … 希望や要求に合わせる

・ 乏(とぼ)しい … 不十分である

・ 気にかける … 心配する

 身(み)を堕(おと)す … 以前より社会的評価が極端に低い存在になる

・ お目にかける … お見せする

 勇(ゆう)に誇(ほこ)る … 勇ましい姿を見せつけて、いばる

・ もって … そうすることで

 懇(ねんご)ろに … 心を込めて丁寧に

・ 悲泣(ひきゅう) … 悲しんで泣くこと

   [ 第七段落 ]

・ 光を失う … 明るさのため光が薄らぐ

・ 咆哮(ほうこう) … ほえたけること

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